竜口横穴群(たつぐちよこあなぼぐん)

山鹿市を流れる菊池川流域には墳丘を持つ古墳が多いのですが、横穴群も数多くあります。
竜口横穴群は菊池川の支流である内田川の支流の木野川の近くにある横穴群です。
これは2010年の写真なのですが、2020年の現在も同じような状況です。観光地とならない古墳はどこも同じようなものですね。

標柱に書かれていた説明によると
「欠損しているものも含めると全部で十基確認される。
一般に横穴墓の被葬者は、古墳時代後期に鉄製農機具を使用して生産力をあげ富を蓄えた有力農民層と言われている」
ということですので、ここは古墳時代後期の古墳群と思われます。

地図を見ると分かるように、竜口古墳群は岩隈山の切り通しから続く丘の端にあります。さらに南の方に行くと、お隣、菊池市の瀬戸口には瀬戸口横穴群という、元は400基以上あったと言われる横穴群があります。
古墳時代、今のような細かく切られた行政区というのは無かったと思われ、竜口横穴群は瀬戸口横穴群からつづく横穴群ではないかと聞いた記憶があります。
地質はどちらも阿蘇山噴火時の堆積物で、軽石の層です。
菊鹿町のこの辺り、例えば鞠智城跡までの丘はどこも軽石の層となっていて、軽石を掘った隧道を見かけることがあります。大河ドラマ韋駄天の2話に出てきたトンネルは、鞠智城の下にあるトンネルなのですが、ここも軽石を掘ったものになります。
昔はの小学生はこのトンネルを通り、堀切地区から城北(しろきた)にある小学校に通っていたそうです。
場所は、県道37号線を北に行き、竜口公民館の先の交差点を右折して100mほどにある右への横道に入ったところです。
ここの名称なのですが、竜口横穴群の竜口を「たつくち」と仮名を振ってあるのをみかけますが、地元では「たつぐち」と読みます。
山鹿には、竜口横穴墓群の他にも、国指定の史跡である鍋田横穴群、装飾古墳館付近にある岩原横穴群、装飾がある桜の上横穴群などなど、興味深い横穴群が点在しています。
なお、竜口横穴群の近く(400mほど)には陣の内古墳がありますので、合わせて見られてください!