鹿本町にある六地蔵さん

山鹿市鹿本町(かもとまち)にある六地蔵さん

鹿本町には「六地蔵幢」(ろくじぞうどう)という、六角形の一面ごとに六地蔵さんが彫られた龕部をもつものが点在しています。

高橋の六地蔵

山鹿市鹿本町高橋の六地蔵幢

日田鹿本線ができるまで、この道が鹿本町から菊鹿町へ続くメインの道路でした。この道を行き交う人の安全や地区の方々の息災を祈願されて建てられたのだと思います。

中台と幢身の接続部分が白くなっています。過去に損傷が有ったのでしょうか?

下高橋の六地蔵

山鹿市下高橋の六地蔵幢

銘文によると、1765年に建立されたようです。
「下高橋の御高札場跡(おんこうさつばあと)」の隣に建っています。

御高札場とは、法令などが書かれた札を掲げられた場所です。今では地区の掲示板になっています。

庄の六地蔵

山鹿市鹿本町庄の六地蔵幢

背の低い六地蔵さんです。幢身がコンクリートに埋まっています。そのため、恐らく書かれているであろう銘文が読めず、建造された年が不明です。また、全体の高さなども分かりません。

鹿本町誌を読むと、昭和51年の時点でも同様の状態であったと思われ、また、地元の方に話を聞いても、以前から小さかったと話されていました。

来民の六地蔵

鹿本町来民の六地蔵幢

来民、寿楽荘の近くにある六地蔵さんです。いつもお花が飾ってあります。

現在、高さは225cmなのですが基台の部分が埋まっているために、全体の高さはもっと高かったと思われます。

六地蔵幢は基台と幢身の下部が地中に埋まっているものも多く見かけられます。

左側の水路は、御宇田井手の扇形分水から続く水路です。

津袋の六地蔵

鹿本町津袋の六地蔵幢

民家の敷地内にありました。以前から気になってはいたのですが、なぜ敷地内にあるのでしょうね。ここは、変形4叉路の角にあたる場所です。

御宇田の六地蔵

山鹿市御宇田の六地蔵幢

龕部に彫ってある六地蔵さん。写真ではわかりにくいのですが、線で彫ってあります。線画の六地蔵さんです。さらに、横においてある六角形の石は、おそらく以前の龕部で、こちらも線画で六地蔵さんが彫ってあります。

幢身は四角柱なのですが、この彫り方、山鹿市久原にある六地蔵さんと同じ感じがします。

こちらが久原の六地蔵さん。幢身の形が四角柱であることと、彫り方が似てますね。御宇田の六地蔵さんと久原の六地蔵さんの幢身は同じ方が作られたのかな?

そういえば、久原で六地蔵さんの場所を聞いた時に御宇田の六地蔵さんの写真を見せたら、そこにあるのと一緒という反応をされたことを覚えています。

石渕の六地蔵

石渕の六地蔵石渕の六地蔵

鹿本町石渕の六地蔵幢です。

すでに彫られていたはずの地蔵菩薩の姿は失われていますが、こちらも六地蔵幢と記録されています。

石渕の六地蔵幢は「単制」という造りになります。恐らくですが、山鹿市唯一の「単制」の六地蔵幢だと思われ、熊本県内でも珍しいようです。

単制の六地蔵幢は中台がなく六角形の幢身に地蔵菩薩が彫られています。一方、「重制」という山鹿市では一般的な六地蔵幢は中台の上の龕部に地蔵菩薩が彫ってあります。上の写真で見比べると一目瞭然です。

ところで、どうして彫られた地蔵菩薩が失われたのかというと、「住人がお守りにするために削った」「子供が遊びで削った」のどちらかだと考えられます。

そのあたりも含め、山鹿の六地蔵のことを書いています。

山鹿市の六地蔵一覧と解説
六地蔵幢(ろくじぞうとう)のかたち解説 六地蔵幢の各部 こちらは、鹿北にある下中の六地蔵です。 上から、宝珠、傘、六地蔵が彫られている龕(がん)、中台、幢身、土台です。 時々、宝珠や傘が失われていたり、土台が見えなかったりしますが、基本的な

分田・善教寺の六地蔵龕部

鹿本町分田にあるお寺、善教寺に六地蔵幢の龕部が残されているようです。

鹿本町史によると、昔は分田街道の道筋に建てられていたようで、道路や水田の開発工事などの事情で取り壊され、龕部のみが善教寺に納められたものだと思われます。

 

鹿本町の六地蔵データ

名称 建造年 西暦 高さ
高橋の六地蔵 元文5年 1740 230
下高橋の六地蔵 明和2年 1765 252
庄の六地蔵 不明 不明 97
来民の六地蔵 寛政2年 1790 225
津袋の六地蔵 宝暦3年 1753 218
御宇田の六地蔵 不明 不明 269
石渕の六地蔵 不明 不明 180
分田:善教寺の六地蔵 不明 不明 不明

鹿本町の六地蔵幢は江戸時代に作られたものが多い感じです。ただ、銘文が見えないものも多く詳細が不明です。

山鹿の六地蔵解説

六地蔵のかたち解説と山鹿市の六地蔵一覧

お願い
鹿本地区ほか、ここに掲載していない六地蔵さんがありましたら、お教えいただければ幸いです。また、それぞれの六地蔵さんについて、現在に至る経緯をご存知でしたら、ぜひご教授ください。よろしくおねがいします。

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